結婚式の準備をアジャイル風に進めた結果
はじめに
- 結婚式の準備ってなんとなく大変そうなイメージがありました(実際めちゃ大変)
- そこで、夫婦一体感をもって取り組めないかなと思って、楽しめる要素を取り組みつつ漏れなく準備を進めたいなと思い、アジャイル風(あくまでも風)に進めていこうと思いました ※あくまでも風であって、MVPとか小さくリリースとか、改善サイクルを回すとか不可能な要素があるので、可能な限りアジャイルのエッセンスを取り入れるというものです
用意したもの
- カンバン(trello)
- バーンダウンチャート(Google スプレッドシート)
カンバンについて
こんな感じで作りました
まず、夫婦で必要なストーリーを洗い出しました(ユーザーストーリー風)
- そこから、見積もりをしてみることに。基準となるストーリーを1とし、そこから作業量や懸念点が多そうであれば数字を大きくすることを伝え、2人で見積もりをしてみます。
- すると、作業のイメージがあってなくて、全然違う数字をだすということもあったり、考慮していなくて数字が大きくなった場合は他のストーリーにするというストーリー出しさながらの作業になりました。
- ユーザーストーリー風にしたことで、これをやると誰に価値が届くんだっけというのが明確になるのと、会話するきっかけが生まれて面白かったです
バーンダウンチャート
- 結婚式の場合はゴールが決まっているので、そこからイテレーション数を計算し、イテレーションあたり消化しないといけないポイントを逆算しました。
- 通常のアジャイルであれば、イテレーションを回してみて、自分たちのベロシティを計測してその後、リリース可能ラインを見極めますが、少なくとも現状出てるストーリーは削れないので、これを確実に消化するということで、このような考え方をしています。
- ここで1週間あたりに消化しないといけないポイントが出てきたので、今度は1週間のプランニングをしました
プランニング
- こんな感じで、今週着手予定のものに加えて早めに検討しないといけないものを優先的に今週積むようにしました。
結果
無事にリリース(当日を迎えることが)できた!!!
ふりかえる
- さまざまな観点から今回の取り組みを振り返ってみようと思います
Good
そもそもの取り組み自体
- これはパートナーから好評でした
- 見積もり、プランニング、レトロスペクティブを小さく回して行くことで、ゲーム感覚で支度が進んでいくので、「今週はこんなに進んだね」とか「今週はやばいからどうにかしないと!!!」みたいな会話のきっかけになりました
- あと夫婦で一体感を持ってやることができたと思います
ユーザーストーリー
- これも良かったです
- 着手するときに「これってなんだっけ?」みたいな会話のきっかけになったので、本来のユーザーストーリーの狙いに即した使い方をできたと思います
- あと、なんのためにこれをやってるんだっけ?という点も明確になるのは良かったです
見積もり
- これは難しかったですが、取り入れたことでゲーム要素が加わり楽しく取り組めたと思います
- ゴールデンストーリーを一個決めて、「これより大変そうだよね!」とか「これはここがどうなるかわからないけど、一旦見えてる範囲だけならどっちの方が大変そう?」とか実際のアジャイルにおけるプランニングさながらの会話も発生したので楽しかったです
バーンダウンチャート
- 自分たちの進捗が可視化されるので、とても楽しかったですしモチベーションになりました。
持続可能なペース
- 僕たちはゴールから逆算して、最低ベロシティを計算してそれを目指すという割とアンチパターンでやってしまいましたが、結果としてそれが僕たちのベロシティとほとんど一緒だったのかなと思います
- 直前期にめちゃめちゃ追い込むこともしなかったですし、途中でやるきがなくなるみたいなこともなかったので、結果的に持続可能なペースを維持し続けて走りきることができたと思います。
bad
優先度決め
- 大体の優先度決めはできるのですが、外的要因に絡むストーリーが多くそこで順番を前後させる必要がありました
- どちらかというと、ストーリーの独立性の話になってくるのですが、Aというストーリーが完了して初めてBというストーリーに着手できるとなった場合、Aというストーリーが外部依存になっているとBが優先度高いのにプランニングのときに積めないということが発生しました。
- 幸いにもBはそんなに大きくないストーリーだった&他の大きめな物に先に着手するみたいな対応をして、暇状態を回避できましたが、他にもやりようはあったのでは?と思っています
MVP
- どちらかというとスコープの話なのですが、そもそもスコープを途中から急に削るというのは難しいです
- プランナーの人に相談するのは割と簡単かもしれませんが、今回のプロダクトオーナー(パートナー)からのYESを勝ち取るには、かなりの努力をする必要があるので、その努力をするくらいなら終わらせる方に労力を割いた方が全てが平和に解決するので、今後の参考にしてください
ベロシティ
- 次の物にも関連するのですが、自分たちだけで完結するものとそうでないものを着手してるフェーズにおいて、ベロシティのブレが結構発生したなという印象です
- あと、ベロシティがやばくなってきてスコープを削るみたいなことができないので、最後はパワープレーに倒すしかないなというのは、やっていて気づきました。
- 幸いにも、僕たちは挙式当日の1週間前をリリース日に設定して、当日でも間に合うものたちだけがリリース日に間に合わなかったので、大きな影響がなかったのですが、ギリギリでバーンダウンチャートを引きすぎると最後は頑張るしかないのかなという印象を受けました。
完全DONE
- 外的要因が絡むもの「何かを回収した結果、何かをするみたいなもの」については、完全DONEにできるタイミングがすごく難しかったです。
- そもそも上記の場合、回収し終わるのに何イテレーションもまたぐこともあり、ストーリーがTODOまたはDOINGに残り続けてしまうという気持ち悪さがあったので、ここは改善の余地があるかなと思いました
属人化
- これはイベントの性質上仕方ないのですが、どちらかしか着手できないというストーリーは絶対発生します
- プランニング時にそこは考慮して、「どっちの方がやること多そうだね」とか「これは、君のタスクだからこっちは僕がやるようにするね」とか丁寧にコミュニケーションをとって公平性というか共創感を担保・維持するといいと思います
不確実性
- 結果的に僕たちは、当初見積もりをしたときの1.2倍のことをやっていたようです
- アジャイルでは割と有名な「不確実性コーン」に1.6倍とあるように、当初見積もっていたよりやることは確実に多くなるし、やりたいことも増えると思います。なので、一定そこも加味して楽しくやれたらいいんじゃないかなと思いました